Censor
2018

自然を量子化する。
様々な事象を離散的な値に近似し、捉え、そしてまた連続的な値として還元していく。
Censorの本質はそこにある。
現実、3次元空間におけるコミュニケーションには、
その場の空気や温度、質感、周囲の環境全てがその一部になっている。
だから僕たちはそこに介入の余地を見出した。あらゆるセンサーがその瞬間を知覚化する。
経緯や取り組みについては、一度Mediumにまとめているので読んで欲しい。
2018年にパナソニックが創業100周年を迎えることを機に構想がスタートした100BANCHは、次の100年につながる新しい価値の創造に取り組むための施設である。未来の実験場である100BANCHではそういった思想もとに作られた。渋谷という場所や構造、床の素材や照明に至るまで全てが意味を持っている。
この意思は、名前とロゴにも巧妙に組み込まれている。
100BANCHという名前は、「まだここにはない、未知の場所」という意味だ。また、エネルギー溢れる人間が集結する「束」を意味する「BUNCH」という英単語に由来している。ロゴを構成する120度に傾いた線は、交差したり束になったりしながら、100BANCHにまつわるさまざまなシーンでサインや装飾として使われている。これからの100年をつくる個性が交差し、渋谷から世界を動かす特異点をつくり出してゆく場所に相応しい名前とロゴになっている。

100BANCHは、そうした意思が束となり交差し新しい価値を想像する。そういったクリエイティブ・コミュニティが活動する実験場なのだ。
コミュニティをリデザインし、クリエイティビティを演出する


もし、意図的にクリエイティビティを創り出すことができたらどうだろうか。100BANCHでは、ジャンル問わず40近いプロジェクトが活動してる。終了したプロジェクトも含めるとその数は200に及ぶ。この束が、交差するにはどうすればいいか、交差する場所には何があるだろうか。
僕は、そこにコミュニケーションがあると考えている。創造的なプロジェクトはそれ自体に価値があり魅力的であるが、もしそれら2つのプロジェクトが交差したらどうなるか。それらは全く異なるジャンルかもしれない。そのとき、誰もが想像しなかった新しい価値が生まれるに違いないだろう。コミュニティとそれらの間に生まれるコミュニケーション、そこにクリエイティブの鍵がある。
15世紀、ヨハネス・グーテンベルグが活版印刷術を発明して以降、コミュニケーションの形は大きく変わり始めた。人は、その多くを視覚に頼るようになっていき、コンピュータやインターネットの発明とともに加速していった。全てのものがインターネットに繋がり、瞬時に大量のデータを送受信する、ポストインターネットといわれる現代ではおそらく当時のコミュニケーションとは大きく異なるはずだ。聴覚から視覚に重点が移りゆく中で失われたものはないのか?同じ場所や空間、時間を共有するコミュニケーションについて改めて考えても良い頃合いであるはずだ。
100BANCHという場所を共有するコミュニケーションでは、温度や湿度、周りの音やその場の匂い、椅子の硬さや机の肌触りまでその全てがコミュニケーションの一部なのではないだろうか。これら全てがコミュニケーションの一部であるならば、そこに介入の、デザインの余地がある。そのためにはコミュニティとそれらの間に生まれるコミュニケーションについて、現状を知らなければならない。

コミュニケーションにおけるそれらの要素がどのように作用し、影響し合い、一部となっているのかを知る必要がある。CENSORの役割はそこにある。その上で、意図して束が交差するように、結果としてクリエイティビティが、新しい価値が生まれるようにリデザインする。僕は、そうして多種多様な束となり交差し合う場所を、100BANCHという一つの束にしたい。

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